edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

ユーリズミックス( Eurythmics )

私が洋楽アーティストで最初にハマったのがイギリスの男女ユニットのユーリズミックスでした。
きっかけは小林克也さんの「ベストヒットUSA」で「 Here Comes the Rain Again 」のミュージックビデオを観て、
その幻想的な映像と、不思議な雰囲気の楽曲に魅せられて、お小遣いでセカンドアルバム「タッチ」のカセットテープを購入したのでした。

 

Touch

Touch

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アルバムはもう手元にありませんが、とにかく風変りな、一本調子なのだけど不思議な魅力のある楽曲が多かったと記憶してます。
ジャンルはテクノポップという括りなのだけれど、何やらライブではエネルギッシュだと新聞の音楽評に書かれていましたが、このアルバムからはとてもそんなイメージは想像出来ませんでした。

が、3枚目の「Be Yourself Tonight」の先行シングル「Would I Lie to You?」(日本タイトルはビリーヴ・ミ―)を聴いた時、
そのやたら激しいグルーブと反り上がるようなホーンセクション、そして何より、白人の中では歌が一番上手いとサザンの桑田さんに評された(たしかオールナイトニッポンで)
アニー・レノックスのパワフルでソウルフルな歌唱。そして曲の終わりでブチ切れたように炸裂するスキャットの嵐。圧巻でした。

 

当然購入したアルバムの中には、日本で最大の有名曲となる「There Must Be an Angel」(スティービー・ワンダーがハーモニカで参加)や、
アレサ・フランクリンとのデュエット曲「Sisters Are Doin' It for Themselves」が収録されていたりの豪華版。
アニーの卓越したボーカルと、相方のデイヴ・スチュワートのユニークなサウンドイデアが見事に結実した作品で、
前年に出たジョージ・オーウェルディストピア小説「1984」の映画化に際して制作されたサウンドトラックとの合わせ技で、私は完全にユーリズミックスの虜となりました。

 

そのアルバム「1984」では、不可思議な怪しい音世界にアニーのボーカルが遠くで幻影のように揺らいでいるようなオープニング、
セックスを連呼するポップな先行シングル「セックス・クライム」
最後の最後でびっくりさせられる仕掛けを施した「ルーム101」
そして、三味線のような音色の泣きのギターソロが聴きものの珠玉のバラード「ジュリア」など多彩なサウンドがつまっていて、
原作小説を読んでイメージした通りの世界が、そこに音楽として存在してる事に当時感動しました(映画では派手さを抑えてアレンジされたものが使用されております)

翌年の4枚目「リヴェンジ」は先行シングル「ミッショナリーマン」をはじめ、好きな楽曲が多く、個人的にはこれも名盤なのですが、前作の延長線上にある作品な為、
評論家がユーリズミックスに期待していた意外性や驚きがあまりなかったとも言えました(アルバムに収録された解説でやたら、‟よくある”という言葉が並んでいて少し腹が立ちました)

 

5枚目の「サヴェイジ」では1、2枚目のクールなデジポップ寄りの路線にやや戻った感じに。6枚目の「We Too Are One」は初期と中期のちょうど真ん中を狙っているような感じに。
一定のクオリティを保ってはいるものの、もうユーリズミックスから、今までにない新機軸というのは生み出される事はないのかな…と思い始めたら長期の活動休止に。

アニー・レノックスのソロアルバム「DIVA」は大ヒットしましたが、歌物の印象が強く、個人的にはその後の活動を追う気になれませんでした。

 

Peace

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1999年に待望の活動再開。ニューアルバム「Peace」の先行シングル「17アゲイン」は初期の大ヒット曲「スイートドリームス」のフレーズをはめ込んだ粋な楽曲で、
アルバム自体は、「We Too Are One」の延長線上にある印象ですが、佳曲が揃っていました。が、やはり新しいサムシングは生まれない事を再確認したかのように再び休止に。

ユーリズミックスの名前自体は、日本ではマイナーな印象ですが、YouTube での再生回数を見てみると、やはり世界中で聴かれてるせいもあり、桁が違いますし、
おそらく本国イギリスではビートルズ、オアシスに並ぶビッグネームなのだと思われます。

最後に私が1987年に横浜アリーナで観たユーリズミックスのライブについて記憶に残った事を少し。

ライブで最も期待していた「ビリーヴ・ミー」をあろう事かアンプラグドバージョンでやってくれてしまい、がっかり…
「スウィートドリームス」を大勢のお客さんが英語で合唱!これには驚きました。日本のステージでこんな事が起こるとは。
最後、アンコールの後、アニーが日本の「サクラー、サクラー」のフレーズを歌いながらフェイドアウト。粋でした。

 

 

 

補記

英国が選ぶユーリズミックスアニー・レノックスのベストソングTOP30

かなり意外なのでリンクしておきます。

 

amass.jp