edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

六田登先生「F-エフ-」

六田先生は作品数が多いのですべて読んでるわけではないですが、やはりこのモータースポーツ聖典が代表作でしょう。
F1ドライバーを目指す主人公の赤木軍馬のドラマと、政界進出を目指す財閥の社長である父、赤木総一郎のドラマが、
平行して展開していく大河ドラマ構成で、非常にスケールの大きい人間ドラマでした。

自分が連載当時からリアルタイムでハマった作品としては今でも最長の作品なので、再読するとあの頃の自分に戻ったような懐かしい気持になります。
とはいっても、読み始めたのはライバルの聖との最後の勝負の後半部分からで、
ああ、「あしたのジョー」のレース版か。ぐらいにしか思ってなかったのですが、
その後、主人公は単身イギリスのロンドンへ旅に出て、そこで疑似家族のような物を作ってしまうし、
新たなライバルキャラが二人登場しますが、これもなかなか意表をついてて面白かったです。

父親、総一郎の物語も足を引張る辰叔父という強力な悪者キャラが登場し、目が離せなくなり、
なぜ、彼が政界進出を目論むのかの真相が明らかになった時、息子の軍馬からすれば嫌な奴でしかなかった彼が、
とても純粋な思いに突き動かされてこれまで生きてきた事がわかり、彼にとって最後の演説、それを聞いているたった一人の聴衆に泣けました。

そして最終回直前、
「何人たりとも俺の前は走らせねぇ!」と叫び続けてきた軍馬が、世界のトップに躍り出た瞬間、ついにここまで来たか…と感慨ひとしおでした。

 

F 1巻

F 1巻