edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

みやたけし先生 「GO☆シュート」

小学5年生になった春、少年ジャンプで新連載がスタートしました。
タイトルは「GO☆シュート」副題で剛秀人青春日記とあります。
劇画漫画全盛のこの頃、みや先生の描くキャラクターは繊細でさわやかでした。
サッカー漫画なのに恋愛やギャグの要素が多く、けれどちゃんとしたスポーツ漫画という、
ごった煮、幕の内弁当のような新しい時代のマンガが出現した!と当時物凄くハマりました。

友達とサッカーをして遊ぶ時は、作品に登場するサーフィンシュートやサテライトシュートを真似て、
おおいに楽しみました。
サッカーだけでなく学校行事の遠足や運動会、町内のお祭りや正月の凧揚げ等々、
まるで秀人たちキャラクターと一緒にこの1979年を過ごしたような、幸せな出会いでした。

生れて初めて自分の意志でマンガの単行本を買いたい!と思った「GO☆シュート」
4月に連載が始まり、第1巻が刊行されたのは年が変わっての1月でした。
この当時は単行本化がかなり遅くて、同じ頃連載開始した宮下あきら先生の「私立極道高校」や、ゆでたまご先生の「キン肉マン」も
この後続いて1巻が発売されていきました。

主人公の剛秀人はサッカーが上手いだけでなく、人間的に不思議なスケールの大きさを感じさせるキャラクターでした。
過去に秀人がやってしまった過ちにより、彼をずっと恨み続け、刑務所でメンバーを集めてサッカー勝負を挑んできた幼馴染の
草井ポン太 (みや先生のネーミングセンスはかなりブッ飛んでいます)
彼に対してこんな事を言います。

「オレにこんなこという資格はないけど…いつまでも復しゅう、復しゅうといっててもきりがないよ…
キミのこの目は正面をむいたまま後ろをみることができるか?できるわきゃあない!
そうなんだ…人間の目は未来を!前をみるためにあるんだよ!」

最終回、練習中に秀人はライバル達を意識して叫びます。
「オレはまけない!(サッカーの)天才児にも野生児にも、なぜならオレは
サッカーバカ児だからなのだ!」
そして大海原へ向かってサッカーボールを蹴り上げます。

自分も秀人みたいな大物になりたい、そう憧れていたのに、それとはかけ離れた人になってしまっていました…
この文章を書きながらそれに気付いたのでした。

追記
東京に住んでた30代の頃、小さな町の古本屋で安い本を探していると中学生くらいの男の子二人が入ってきて
マンガコーナーを見ながら、こんな会話が
「あっ、GO☆シュート」
「知ってるの?」
「お父さんの本棚にあった」
なんかうれしかったです。 

GO☆シュート(1)

GO☆シュート(1)