edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

平井和正 「 幻魔大戦deepトルテック 」補足 “無限”と“外来装置”

幻魔大戦」に登場する悪の象徴である“幻魔”
宇宙の根元悪で、人間の心に本来無かったはずの邪悪な感情を植え付けてくる存在の“幻魔”は、トルテックでは“外来装置”という名前に置き換えられています。
その外来装置の暗躍を阻止し、“無限”の力を迎え入れる為に必要なのが“内的沈黙”と呼ばれるものです。

心の中の“対話”を一切止める。それが“内的沈黙”
思考の中断は、特殊で静謐な状態を呼ぶ。
知覚が五感に依存しない状態。それが“内的沈黙”であり、人間を魔法の存在にする能力なのだ。

心は絶えず“おしゃべり”をしていて、それを止めるのは非常に精神力がいる(ネットで調べてみたらマインドトークと呼ばれているもののようです)
私の頭の中は、ほとんどいつもこの状態で、その為ずっと独りでも、寂しく孤独を感じる事がないのでよくわかる話なのですが、
この“内的沈黙”という表現が、誰にでも伝わるものなのかはよくわかりません。

“無限”の力を迎え入れる事が出来れば、人間は“外来装置”による浸食を食い止められる。
その為にはカスタネダの書物を引用して“自尊心”と“自己憐憫”を捨てなければならないと書かれています。
これもよくわかる話です。私はほとんどこの自尊心と自己憐憫で人間関係をおかしくして職場を転々としている状態ですから、、、

頭ではわかっていても、頭の中から自然と湧いて来るんですよね…こういう思考が。
それこそ“外来装置”に心が侵略された状態なんでしょう。
deepトルテック を読んだ事を、良い機会と捉え、内的沈黙を長く続けて外来装置の浸食を少しでも抑えられるように頑張ってみます。

ただ、自分の感覚ではこれは外来装置という名のように、外から来るものではなく、自分自身の内側というか肉体、脳に刻み込まれてしまった条件反射のような気がしますし、
小説「幻魔大戦」は人間の内側にあるエゴとか醜い感情を、幻魔という外の要因に置き換えて責任転換してしまっている、という批判を、以前どこかで読んだような記憶がありますが、
その要因は外の世界からの出来事、働きかけ、言葉、なので、外からの干渉を“外来”と表現するのもありだと思います。