edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

佐藤宏之先生「胡桃(くるみ)」

佐藤先生の最初の短編作品集。
移籍した小学館ビッグコミックスピリッツに掲載された3作品と、移籍前に少年チャンピオンに掲載された2作品が収められています。

スピリッツの3作品は「純情3部作」という表題がつけられていますが、どれもイマイチな印象。
チャンピオンの2作はSF物と怪奇物でどちらもなかなか読み応えあります。
SF物の「WHO」は映画「火星年代記」「アルファビル」「華氏451度」のような地に足がついた地味SF風の内容で、先生の絵柄と合っています。
怪奇物の「三年坂の蝶」は京都にある三年坂に伝わる伝説が現代に蘇り、奇怪な事件が起こるという内容で、陰影の強い先生の絵が最も生きるジャンルだと思います。

mixiの佐藤先生のコミュニティで以前、アシスタントをやられていた方のコメントとして、江戸川乱歩の原作を漫画化出来ないか検討しているとの旨が書かれていました。
実現していたら新しい地平が開けていたと思われるので、残念です。

 

胡桃―佐藤宏之短編集 (ビッグコミックス)