edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

斉藤由貴「恋する女たち」

今まで監督名の次に作品タイトルでブログを書いてきましたが、今回は主演女優の名前を持ってきました。

1985年の東宝の正月映画「雪の断章」で気になりだした斉藤由貴。翌年の86年の正月は大森一樹監督による「恋する女たち」が公開されました。
パンフレットに記述されてた通り、少女都市、金沢の街並みの魅力が存分に堪能出来ます。

市街地を少し離れたところにある犀川の土手を斉藤由貴小林聡美が歩きながら語らうシーン。
近所の銭湯の電柱の影に隠れて自分をストーカーしている同じ学校の男子生徒に詰問するシーン。
109があってその周りをバイクで走り回るシーン。
そして、加賀海岸の断崖絶壁の上で振袖姿でお茶を点てるシーン。
ここで印象的で忘れられない会話が出てきます。
(おそらく氷室冴子さんによる原作小説そのままだと思われます)

去年、ここでお茶会をやった時、子供が土足で上がりこんで「ぼくはお母さんのお腹の中で、もういいですかと聞いて、もういいですよと言われたから産まれてきた」
そう言います。
それを聞いた相良ハル子演じる汀子は、
「馬鹿なガキが母親に変な事ふきこまれてのたまわってる」みたいな事を言い、
高井麻巳子演じる緑子は
「子供のくせにしっかりした事言うじゃない」みたいな事を言い、
斉藤由貴演じる多佳子は
「逆上してたから忘れた」
そこで灯子がこう言ってたと思い出させる。そして多佳子は、
「私はたしかにそう言った。そして今でもそう思っている。生まれてくる時に「こんにちは」というおよそ社交的な言葉で挨拶して、
そして生れてくるのなら、こんな素敵な事はない」

映画のストーリーとは直接関係ないし、意味がわかるようでわからないのですが、何となく、生命の根源とか深淵に触れているような不思議な力強さを感じました。

 

恋する女たち

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恋する女たち (集英社コバルト文庫)

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