edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

みやたけし先生「めざせ一等賞」

今度は北海道を舞台にしたマラソンものです。しかし、主人公はどんくさくて
絵柄もチャンピオンに移籍して以来、どんどん描線が太くなっていき、
もう初期のような、少女漫画に近い繊細な絵を描いていたみや先生はここにいない…

連載当初は、とても平成の時代の作品とは思えないくらい古めかしい印象で脱落したのですが、
半年くらいたってから、もう打ち切りになってるだろうと思いながらコンビニでチャンピオンを手に取るとまだ続いてる。
舞台は東京に移ったらしく、主人公の一等賞(いっとうしょう)は体のどこかを痛めたらしくて、
お医者さんへ行ってストレッチみたいな事をやっている。
スポーツにおけるコンディション作りとか身体づくりといった事が、とても丁寧に描写されていて、
だんだんとこの作品に惹きこまれて行きました。

そして大東京マラソン。これが前半の大きな山場になります。
主人公はスタートでこけてしまい最後尾からのスタート。体調も最悪、しかし、
「もう一人ぬいたら走るのをやめよう」と繰り返し繰り返し思いながら走り続け、
とうとう先頭集団に追いついてしまうまでの展開が鳥肌もので、
みや先生の作画のクオリティも、チャンピオン移籍後かつてないくらい冴えわたり、
この時期、作品の人気もかなり良かったようで、
チャンピオンの表紙や巻頭カラーを飾ったりして
おおいに盛り上がりました。

主人公の言葉に「目指すのは自分自身の一等賞」というのがあります。
国民的アイドルグループSMAPが歌った「ナンバーワンよりもオンリーワン」という思想を、
みや先生はいち早く先取りしていました。
試合やライバルに勝つ事よりも大切なものを、主人公を勝たせないことで
一貫して強調したかったのかもしれません。

 

めざせ1等賞(1)

めざせ1等賞(1)

 

 

追記
Amazonで検索してみたら、今現在、Kindle版が一冊につき97円で販売中!
まるで私の最近の動向を見透かしたかのような割引セールにまんまとのせられて、
連続クリックしてしまいました。