edamamesakuraの部屋

趣味で描いてる漫画や、好きな作家さんについて書いています。

宮部みゆき「模倣犯」

雫井作品に出会う前は、宮部みゆきさんにハマってました。
更にその前は松本清張作品に一時期ハマってたのですが、どの作品も結末が淡泊で、もう少し余韻に浸らせてくれーという不満がありまして、
丁度その頃、古本屋で分厚い文庫本「理由」を手に取り、
これが面白ければ長い事楽しめそうだなぁ…と期待して読み始め、実際、長い時間、作品世界にどっぷり浸らせてもらいました。

とにかく舞台設定の説明が緻密で、登場人物の描写も事細かく、まるで現実の世界の出来事を読者に追体験させてくれるような描写力が、宮部作品の魅力で、
続いて「レベル7」題名は忘れましたが短編集、「火車」と夢中で読み進め、そしてこの「模倣犯」を読み始めます。

第一部が謎と緊張に満ちた連続殺人事件。
あまりに面白すぎて、この世にこんな面白い小説があっていいのか?と思ってしまう程面白く。
第二部から、若干謎解きを始めつつ、視点を変えて様々な人間の思惑が複雑に絡んでドラマが展開していきます。
そして第三部で犯人であるピースへと焦点が当てられていきます。

 

模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯1 (新潮文庫)

 

 

この作品は森田芳光監督によって映画化されています。
私は基本、森田作品は苦手なんですが、この映画に関しては楽しめました。
大好きな原作小説が、映像化され視覚的に観られて、わくわくして楽しかったです。
特に、原作で一番お気に入りだった、カズの妹の由美子が美人さんだったのがうれしかったです。
ただ中居正広演じるピースを新時代のヒーローなのか?というような描かれ方をしていたので、宮部さんからすれば、
かなり不本意な映画化だったようです。

 

 

模倣犯 [DVD]

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宮部作品の映像化は上手くいかない。ファンの間ではそう囁かれてたようですが、
映画「ソロモンの偽証」の高い評価で、それは払拭されたようです。
ただ、私個人はミステリー作品ではない「小暮写真館」あたりから気持が離れてしまい、ご無沙汰になってしまいました。
というか、最新作は図書館だと貸し出し中で置いてないので読む機会がない…